コンポステーラ - スペイン

キリスト教三代巡礼地の一つサンティアゴ・デ・コンポステラを目指し、フランス人の道を歩く

Written by Mina - 2021年8月23日 |
心を癒すロングトレイル

トラベルストーリー

この記事は、フランスから始まった巡礼の続編です。まだフランス編を読んでいない場合は、こちら を先にどうぞ。

ここでは、フランスのサン・ジャン・ピエ・ド・ポ-(Saint Jean Pied de Port)からスペインのフィステ-ラ(Fisterra)への旅に焦点を当てています。

フランスのカミノ・デ・サンティアゴを歩いてる間、私達は別の国を訪れることを楽しみにしていました。

当初、スペインの北海岸を辿るルートである北の道(Camino del Norte)を歩くことを検討していました。しかし最終的に、様々な理由からフランス人の道(Camino Francés)を歩く事にしました。これはサンティアゴ巡礼路で最も人気があり巡礼者の多い道ですが、私達が歩いた時は、コロナ危機のおかげで通常より人はかなり少なかったようです。

サンティアゴ大聖堂はこの巡礼の公式終着地ですが、最初の巡礼者によると「世界の終わり」であるフィステーラまで足を延ばしたかったので、80日間の長い巡礼の後、さらに数日歩くことにしました。

旅の終盤にかけて、この巡礼を達成することは、体力的なものよりも精神的な挑戦であると気付きました。例えば、この旅を始めた時からずっと、サンティアゴ大聖堂を巡礼旅のゴールとしていたので、私達はサンティアゴからフィステーラまで歩くのに、大きな困難を経験しました。

とにかく、一歩。また一歩と前に進み続ければ、最終的には自分の目的地にたどり着く事ができます。私達にもできたので、あなたもきっとそこに辿り着くでしょう。

道は、これを達成した人々によって維持されているので、あなたも彼らのステップに辿って下さい。

Ultreïa! (ウルトレイア!)

全体的な印象

⭐⭐⭐⭐☆

良かったこと

苦労したこと

詳細情報

統計

出入国・ビザ

⭐⭐⭐⭐⭐
フランスとスペインの国境を越えるには、標高差約1,200mのピレネー山脈を登り降りしました。明確な境界線がなかったので、実際にいつ国境を通過したのかはわかりませんでした。スペイン内カミーノ最初の町、ロンセバレス(Roncesvalles)に到着した時、私達は初めてスペインに入国したことに気付きました。

当時、スペイン入国者は新型コロナウイルスのチェックを国境付近で受ける決まりでしたが、この国境にはそれをコントロールする警察官が居ませんでした。

Fab 🇫🇷

フランス国民として、もちろんスペインに好きなだけ滞在できます。

Mina 🇯🇵

ワーキングホリデービザを持っていたので、シェンゲン圏に1年間滞在することができました。

そうでなければ、日本のパスポート保持者はシェンゲン圏内に6ヶ月間で合計90日間ビザなし滞在可能。

道路・交通情報

⭐⭐⭐⭐⭐
道はよく整備され維持されています。フランスパートと比較して、特にサンティアゴに近づくにつれ、はるかに巡礼者が多く混んでいます。私達は、巡礼中に通過する町の経済が、主に巡礼者に依存していると感じました。また、スペインは領土が広く、各村間の距離が長いです。次の町まで、平均10〜15km歩くことを覚悟して下さい。

天気に関して、最初のパートは暑くて乾燥していました。その後ガリシア(Galicia)に入ってからは、ほぼ毎日雨が降り続き風もありました。面白いことに、どちらも同じ天気・地理・ケルト文化を共有しているフランスのフィニステレ(Finisterre)に似ています。

宿泊施設

⭐⭐⭐⭐☆
宿泊施設は3回利用したのみなので、あまりこの項目に関する経験がありません。しかし、他の巡礼者によると、宿の予約はすぐに埋まるようです。そのため多くの巡礼者は、事前に旅の計画を綿密にし、スタートする時には、最終日まで既に宿の予約を全日していました。

他には、ドナティーボ(寄付に基づく宿泊施設)または公営のアルベルゲ(巡礼宿)に滞在することもでき、こちらは事前予約は受け付けていません。そのため、確実にベッドを手に入れるには、シエスタ(だいたい14〜16時)の前にそこに着く必要があります。チェックイン時間の何時間も前に多くの巡礼者が宿の前に並んでいるのを、私達は何度も目撃しました。

何にせよ、スペインの宿泊施設はどこも本当に清潔な施設が期待できます。

野宿

⭐⭐⭐⭐☆
野宿をする事はフランス国内ほど簡単ではなく、またやっている人も少なかったですが、できます。 地元の人々はあまり私達を気にしていませんでしたが、フリーダムキャンパーを見かけるとは思っていなかったと思います。出来れば、村から少し離れた野宿スポットを見つけたほうがいいです。(宿オーナーはあまりいい顔はせず、自分の宿に泊まるよう営業してくる場合がある。)また、巡礼路付近にテントを張ると、日の出前にハイクを始める多くの巡礼者によって、目を覚ます可能性があります。基本的に彼らはそれほど騒がしくありませんが、明るいヘッドランプと規則的な足音が、あなたの睡眠を妨げる可能性があります。

私達がこれからスペインで野宿をしようと考える人にすべきアドバイスは、テントを張る前に周辺のスプリンクラーをチェックすることです。スペイン人はガーデニングが本当に好きなようで、どこにでもスプリンクラー(飛行距離未知数)が設置されています。午前3時にテントが突然水で攻撃される経験を私達は何度か得ました。

施設・設備

⭐⭐⭐⭐☆
既に述べたとおり、各村間は平均10〜15km離れています。更に、通過する全ての村にお店やトイレ,水道,ベンチなどの公共施設があるわけではありません。

しかし、これらの施設を見つけることができた時はいつでも、とても整った状態なのは良いことでした。ですが、シエスタのスケジュールに注意してください。公共トイレも例外ではありません。

全てのスーパーマーケットには、水筒に水を補充できるトイレがあることを知っておくといいと思います。また、ここではフランスのスーパーよりも低価格で新鮮な品を見つけることが出来ました。

飲料水に関して、水を補給するのはかなり難しかったです。巡礼路上のほぼ全ての公衆水栓が取り除かれていた又は断水されていたためです。私達は大きな街では、巡礼路から数百メートル離れた所で公共水栓を見つけることができました。(スペイン政府は、何らかの理由でわざと巡礼者用の水を取り除いた?)

水道水を闇雲に探すよりも、地元の人に『水が必要です』(Necessito agua, por favor=ネセシート アクア プレファボール) といって自分の水筒を渡すほうが簡単です。このフレーズがちゃんとしたスペイン語なのかは知りませんが、何度も通じました。

コミュニケーション

⭐⭐⭐⭐☆
スペイン人は主にスペイン語を話します。私達は二人ともスペイン語を話せないので、最初の頃は少し大変でした。英語よりも、スペイン語に近いフランス語の単語を(ちょっとスペイン風発音にして)使いました。

スペイン人はとても親切でフレンドリーですが、彼らのコミュニケーション方法は攻撃的だと感じるかもしれません。私達はこれに慣れるのに少し時間が必要でした。あなたがより大声で話すと、スペイン人は何故かあなたをより理解するでしょう。

私達が気付いたもう1つの事は、特に19〜22時の間、スペイン人はかなり活動的だという点です。地元の人々は、この時間帯に長い散歩をしながら、私たち旅行者との会話を楽しみます。

食べ物

⭐⭐⭐☆☆
私の身体は何故か、スペイン産パプリカを消化できませんでした。パプリカはスペイン料理の中心的食材なので、地元の調理済み食品の約90%を避けなければなりませんでした。さらに、Fabはベジタリアンで、スペイン料理には肉や魚がたくさん含まれています。

こんな私達に残された唯一の選択肢は、「ポテトオムレツ」(tortilla de patata=トルティーヤ・デ・パタータ)でした。ほぼ毎日ランチはこれでした。もしあなたがこの国を訪れることに決めたら、地元の特産品を私達よりも楽しむことができることを願っています。

オムレツ以外では、私達は安い価格でその土地の新鮮な果物や野菜を見つけることができ、特にスイカを堪能しました。

ベジタリアン対応:
⭐⭐⭐☆☆

フランス同様、ベジタリアン食はスペイン文化の一部ではありません。ですが、私達は地元の農産物で簡単に食事を準備することができました。また、スペインのオリーブオイルは最高だということを言及させて下さい。

主に食べたもの:

⭐ Fabのお気に入り:

新鮮なスイカ

⭐ Minaのお気に入り:

ホットチョコレートとチュロスのコンボ

思い出に残る場所5選

サンティアゴ・デ・コンポステラ全ての巡礼者にとって公式な終着地
サリキエグイ乾燥した谷から眺める美しく平和な景色
イラチェ赤ワインがでる無料の蛇口
カーサ・デ・ロス・ディオセスボランティアによって管理されている、食べ物,シェルター,他の巡礼者を見つけられる場所
フィステーラ私達がこの巡礼を終えた地
写真を見る ➤

ルート


Mina
Mina
東京出身。大学で建築を学んだ後、 京都の建築事務所にて数年勤務。コーヒー好きが高じてバリスタとしても働く。 そんな中ノマドな生き方に魅力を感じ、 安定した生活を捨て旅人に。 ニュージーランドをバイクパッキング中にファブに出会うまで、 誰かと結婚するなんて想像したこともなかった人。 これまで訪問した国は60ヵ国以上… 自然の中で泳ぐことも大好きですが、 基本的にはゴロゴロしたり食べることが好きです。 なので、 今回のタンデム自転車(ストーカーはリカンベント!)は私にぴったりだと思っています。